イザベル・カロ


イザベル・カロ

イザベル・カロ(Isabelle Caro 1982年9月12日生)
 [フランス・モデル]


 マルセイユで母マジェリーンとその浮気相手ジョゼフの間に生まれた。浮気が本夫に発覚して、ジョゼフと離れ離れになった母は、ジョゼフがカロに対して言った「小さくて可愛い」という言葉を思い出し、カロが小さいままでいれば、いつかジョゼフが戻ってくると思った。それから、母はカロの成長を望まなくなった。カロは常に小さい服を着させられ、8歳までオムツの着用を強要された。外気が成長を促進させると信じた母によって8年間、自宅で軟禁された。母親からの洗脳により、身体の成長を恐れたカロは12歳の頃に食べたものを吐くようになった。これが、神経性無食欲症の始まりだった。

 カロが初めて入院したのは20歳の時であった。2006年に病が最も悪化した時は、身長165cmに対して、体重がたったの25kgしかなく痩せ衰えて昏睡状態に陥った。医師からは死を宣告されたが、しかしカロは生き延びた。その後、拒食症治療に当たった医師に勧められて、拒食症になった背景から母親のことなどを書いた自伝『成長したくなかった女の子。拒食症との私の戦い』を出版。2007年、写真家オリヴィエロ・トスカーニによって撮影され、議論の的となったイタリアの反拒食症キャンペーンのポスター「No Anorexia(拒食症はダメ)」にヌードで出演し、脊椎と頬骨の浮き出た体を晒して有名になった。このポスターは、イタリアでは広告監視機関によって使用が禁止され、フランスでは国内企業にこの広告を使用しないよう通達が出た。

 2010年12月22日放送のフジテレビのバラエティ番組『ベストハウス123』に出演した。彼女はこの出演の為に初来日した。番組内では、彼女が拒食症になった背景が再現VTRで紹介された。スタジオで、出演者とのやり取りの中で自分を拒食症に追い込んだ母親については、「あの時、母親はとても苦しんでいて、重度のうつ病だった。母が私を家に閉じ込めたのは、それは愛の形であってその方向性が間違っていただけであり、母の当時の状況を見ると母は私しかいなかった。じゃあ母は私と一緒にいて幸せだったかというと彼女自身もとても不幸だったと思う。とても病気で苦しんでいたんだと思う。そういう風にしてしまったことは今なら理解はできる」と述べた。また、自己流のいい加減なダイエットに警鐘を鳴らした。彼女は6週間で体重を1s増やす努力をしていると語った。

 カロは、『ベストハウス123』出演の為に東京都で過ごした後、急性呼吸疾患によりフランスの病院に入院していたが、2010年11月17日に入院先で死去した。死因については明らかにされていないが、おそらく拒食症に起因する免疫不全の結果と思われる。訃報は遺族によって、同年12月29日に報道機関に報告された。カロの死から2ヶ月後の2011年1月29日、母マジェリーンはカロの死に対する罪悪感にさいなまれ自ら命を絶っている。

 2010年11月17日死去(享年28)


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